晩酌は1杯までと決めつつ、お気に入りの曲と間接照明の心地よさに空いた缶は3本目。
翌日に訪れる軽い二日酔いにいつも後悔しながら、つい酒と音の欲望に忠実になってしまうあなたは快感ジャンキー。
そんなあなたへ伝えたいバンドが「Tempalay」
後悔そっちのけで5本目の缶を空けたくなるくらいの極上の心地よさと中毒性を届けてくれる3ピースバンドです。
サイケポップを基調としたロックでありながら、縦ノリと横ノリの要素をジャンルレスに併せ持ち、懐かしい匂いがするのにどこにも見つからない、色んな枠を取っ払った規格外なバンドです。
それではいってみましょう!
Tempalayのプロフィール
まずはバンドの簡単な経歴から!
【名前】:Tempalay
【読み方】:テンパレイ
【結成】:2014年
【活動場所】:東京、埼玉
【所属レーベル】:Pヴァイン
【目標】:月50万稼げるバンドになること
【メンバー】
Vo・Gt : 小原綾斗(おはら りょうと)
Dr : 藤本夏樹(ふじもと なつき)
Syn・Cho:AAAMYYY(エイミー)【元メンバー】
Ba:竹内祐也
結成は2014年、色んなバンドを行き来していた小原さんと元メンバーの竹内さんが飲み屋で意気投合して遊び感覚でTempalayは生まれました。
ちなみにバンド名の由来はないそうです。
結成当初は
- ジミ・ヘンドリックス
- ホワイト・ストライプス
の様なサイケデリックロックを中心とした音楽を作っていたそう。
どちらも泥臭さとストレンジな要素を持ち合わせたバンドです。
音楽性については後述しますが、楽曲には確かにそれらを思わせる様な雰囲気を持っています。
Tempalayは結成後、インディシーンを中心に活動を続け、
- FUJI ROCK FESTIVAL’15&17
- アメリカ最大級のフェスSXSW
- ベイキャンプ
こんな大型のフェスにも出演を果たしています。
また、Tempalay自身も千葉の白浜フラワーパークにて
ビーチトマトヌードルと呼ばれるインディシーンで活躍するバンドを集めたフェスも主催しています。
独特でクセが強い、なのに気持ちいい楽曲が最高に酔える!
Tempalayの楽曲はどんなのかというと、、、
メロディ自体はインディロック系の懐かしさを感じさせる作品が多いのですが、「誰もやったことのない音楽」を標ぼうしており、楽曲の作りはクセが強く非常に独特でトリッキー。
そんなクセの強さを非常に表しているのがこれ
ね、非常にクセがありますよね。
そして全く楽曲の展開の先が読めない、構成力が半端ない。
めまぐるしく変わる展開、リズム隊はすげー大変なんじゃなかろうか。
ジャンルとしては世間ではインディロックやサイケポップと言われています。
サイケというと元々は70年代に、いわゆる「薬」をやった時に見える幻覚を音に表わそうとしてできたもので、
- フワッとしている
- 甘い音像と残響
- ローファイ感
- 実験的
こんな要素があります。特徴が当てはまりますね。
これはギタボの小原さんは音楽で生き残っていくために、「日本で誰でもやったことのない音楽」を模索した時、「Unknown Mortal Orchestra」というブラックミュージックを消化させたサイケポップバンドに出合い、サイケポップにたどり着いたそう。
しかし、僕はTempalayは単なるサイケポップバンドではないと思っています。
全体的に上記の様なサイケの要素を多分に含むものの、
時にはローファイな西海岸系インディサウンドを持っていたり。
彼らの代表曲となった「革命前夜」ブラックミュージック横ノリ要素を持っていたり。
そう思えばいきなり英局直系のメロディを鳴らしていたり。
ジャンルに括れないような多くのエッセンスがTempalayにはあります。
しかし、そんな多面性のある音楽要素を消化して独特な路線を貫くTempalayですが、
すごい所は楽曲に、クセが強いのにどれも共通して気持ちよく聞けるという事だと思います!
小原さんは「ライブは酒を飲む場所でBGMが流れる、ジュークボックス的な役割」と発言しており、その通り酒を飲みながら聞くと本当に酔える。
サイケが元々、酔うとかそういう趣旨(元々定義された媒体は酒ではありませんが。。)を持つジャンルでもあるので、本当に酒が美味くなるんですよね。
僕はこれで何回も二日酔いになりましたw
アルバム「なんてすばらしき世界」で更に独自路線へ
そんなTempalayですが、ベースの竹内さんが脱退し、AAAMYYYさんが加入した後にリリースしたアルバム「なんてすばらしき世界」が更に独自路線に磨きがかかって、個人的にめっちゃ名盤だと思いました。
小原さんはアルバムに「生命の始まりから終わり」「崩壊した東京をイメージした」というテーマがあると語っていて、アルバム全体に退廃的な雰囲気に漂っています。
このアルバムではサイケな音色のサウンドこそ多分に使われているものの、メロディに従来のインディ感は感じません。
むしろ曲の纏まり方はより邦楽ロックに近づいた感じもするのですが、音楽的な実験的要素は増し、楽曲の持つ退廃的な雰囲気と合わさって独特さは一層深みを増したと思っています。
この邦楽に近づきながら独自性は増す、このバランス感覚とセンスすげえ。
動画にはなかったのですが、個人的にはアルバムの最後の2曲
- 崩壊した街で世界の終りを連想させる「LAST DANCE」
- 宇宙人視点(?)で人類の進化の様子を語っている「カンガルーも考ている」
これが本当にお勧め。
アルバムの初期からの地下からはじまるような退廃的な感じから、
「LAST DANCE」で物語が壮大になっていき、
「カンガルーが考えている」では、ボーカルエフェクターで加工した宇宙人風の声で、滅亡後(?)の世界で地球外の生物が人類の考察をしている
今からたった100年前のこと この星には
かつて人間とゆう生物が存在し支配していたとゆう
それをヒトと呼び
サルとゆう祖先をもつ
約一億年から7万年前地球上に霊長類とゆうものが誕生した
ヒトはその中から分化し現れた生物種だと考えられる
400万前からアウストラロピテクス、ホモハビリス、
ホモエレクトス、北京原人、ネアンデルタール、
クロマニヨン、ラスコー、アルタミラと様々な進化を遂げ存在したとゆうこの小さな生命体たちには「恋」とゆう感情があり
「愛」とゆうものを育むとゆう
特定の異性に特別の愛情をいだき、
高揚した気分、精神的な一体感を分かち合いたい、
肉体的な一体感も得たいと願い求め合うものらしい
繁殖行為のひとつであると推測する
現在では気候変動や小惑星の衝突・疫病・ヒトの増加により
わずかな種とともに火星に移住したとゆうカンガルーは考えている 袋の中はとてもきゅうくつ
この流れが秀逸すぎます。
映画が徐々に盛り上がってってクライマックス後に予想外の外しがある、センスありすぎ。
小原さんは音楽はユーモアと常に公言しており、そんな志向を楽曲のアルバム構成にも感じます。
ホントにアルバム通して聞いてみてほしいです。多分にもれず、聞き入る最中に酒におぼれますからw
ライブで1曲から順を通してやってくれないかなぁ・・・
さて、今日はTempalayについてのレビューでした!
まだまだ全国的な知名度はない物の、楽曲も歌詞の感性も間違いなく日本のトップクラスのセンスの持ち主だと断言できます!
インディ好きなら覚えておいて絶対絶対損はないです。
そして気に入ったらぜひライブにも足を運んでみてくださいね。
それではまた!